フィアット500X デットニング編
やっとの事でここまで分解出来た。実はデットニングより分解の作業の方が遥かに大変だったりする。
スピーカーのすぐ横にパワーウィンドウのモーターがあり、振動でガチャつくとマズイので制振吸音材で覆う。
さて、今回のフィアット500Xという車
純正オーディオの音質はというと・・・
音色は悪くない。悪くないどころか想像以上に良い。低音も割りとしっかり出ているし高音も耳障りな感じが無い。
ところが定位が良くない。音がドアに張り付いている。極端な言い方をすれば右側に座れば右ドアの音、左側に座れば左ドアの音しか聞こえてこない。
これは内張りがスピーカーの振動と共に鳴ってしまって(共振、共鳴)極端に言えば内張り全体がスピーカーと化してしまっているような状態だ。
以上を踏まえてデットニングの方向性は
- 低音は出ているがもっと引き締めたい。
- 内張りの共振対策に重点を置く
- インナーパネルが樹脂製な為、重量を増して共振対策とする。
上記のような事を考えながら進めていく。
先ずはサイドビームと鉄板の隙間をシリコンボンドで埋める。
スピーカーの背面位置にディフューザーを貼って背圧を逃がす。
制振材を適材適所に貼る。
スピーカーのすぐ横にパワーウィンドウのモーターがあり、振動でガチャつくとマズイので制振吸音材で覆う。
インナーバッフルは9mm厚のMDF二段構成。制振塗料で処理した。これで制振効果と防水を兼ねる。
デットニングと共にスピーカーを交換する。ロックフォードのコアキシャル3wayの入門グレード。ケーブルは純正のスピーカーケーブルを使用する。国産車に比べてやたらしっかりしたケーブルだ。
スピーカーの周りのグレーの物体はホイールバランスを取る際のバランスウエイト。物体は重いものほど動き出しにくい。制振効果もきっとあるはずだ。
制振材を張り付けた上から制振塗料をタップリ塗布する。乾いては塗ってを3回繰り返した。
組み付けて完成。
再生した瞬間、純正オーディオでは味わえなかったギターの響き。悪くは無いがどことなく曇っていた音がカラっとスッキリ晴れたようなイメージの音。内張りに塗り込んだ制振塗料が効いている。
低音はどうか?良い。凄く良い。純正オーディオでは低音が出てはいるけど少しボヤけていた。それがデットニングを施したお陰で引き締まった。このホテルカリフォルニアという曲は低音が強めに録音されている曲だと思う。それだけに暴れる事なく、またボヤける事なくキッチリ低音を再生させる事が要求される。今回のこの低音は十分にその要求を満たすだろう。
気を良くした私はベースギターと言えばこの人、マーカスミラーのシルバーレインというアルバムの一曲、ガールズアンドボーイズを再生。マーカスミラーの曲はとにかく録音が良い。逆に変な音が出ていればそれはオーディオシステムのどこかが良くないという判断ができる。
じっくり聴き込んでいくと音色は良いが、純正オーディオで問題となっていた"音が張り付く"現象が気になる。録音が優秀(ステレオ感もバランスが良い)なので余計にこの問題が浮き彫りになった。
純正の状態よりも改善はされているのでデッキのバランス/フェダーとイコライザー調整で更に改善して今回の作業をこれで終わりとした。